ペットにスプレーがダメな理由 【ドクター監修】犬猫ブラッシングスプレー・かゆみ止めスプレーで注意すべき危険

ペットのケアでは、スプレーで毛の飛散かゆみを防止したいですね。しかし、スプレーの使い方には注意が必要です。

まず最初に、正しいスプレーの塗り方を説明してから、次に、ペットに直接スプレーするのがダメな理由を科学的に詳しく説明します。

ペット用スプレーの正しい塗り方

↑ペット用スプレーは、ペットに直接スプレーするのではなく、塗布ツールにスプレーしてから塗るのが望ましいです

ペット用の塗布ツールは、中指に掛けて、手のひらで塗れるタイプがおすすめです↓

↑手のひらにつけた塗布ツールで、撫でるように塗ることで、ペットにストレスを与えずに、ムラなく塗ります。指先を使わずに塗ることで、爪でペットを傷つけないように塗ります。

ペットにスプレーがダメな理由

犬や猫に、スプレーを直接かけるのは良くない理由をご存じですか?

それは、スプレーによって、ペットの肺から入ったものは、毒性が強く出る可能性があるからです。

犬や猫は、口から入って腸で吸収されたものを、まず最初に、肝臓に入れて、なるべく分解・解毒(代謝)してから、全身に広げます。これを医学用語で「肝初回通過効果」といいます。

ところが、スプレーの場合は異なります。鼻から吸い込んで、肺で吸収されたものは、最初に肝臓に入りません。このため、肝臓で解毒されずに、全身に広がってしまい、毒性が強く出る可能性があるため、注意が必要です

この肝初回通過効果は、動物を扱うプロ(獣医師、愛玩動物看護士など)にはよく知られています。

しかし、一般の飼い主にはあまり知られていません。このため、「ペットが舐めても大丈夫な成分なら、吸っても問題ないだろう」と勝手に思い込んでスプレーしてしまう飼い主がいます

リスクをなるべく避けるために、スプレーを直接吹きかけるときは安全性に十分注意することをおすすめします

スプレーを怖がるペットのストレスに注意

動物は、本能で、スプレー飛沫を吸い込むのを危険と感じて、スプレーから逃げるペットも多くいます。スプレーをしたときに、人間は息を止めて吸い込まないように判断できますが、ペットは人間のように息を止めることができません。スプレーから出る飛沫は鼻から肺に入りやすいため、飛沫が出ない塗布ツールを使って塗ってあげましょう

ペットブラシは『二刀流』が理想形

人間のヘアを整えるスタイリストは、両手に道具を持って作業します。しかし、ペットのケアでは、ペットが不意に動き出すことがあるため、片手をペットの体に添えて作業します

つまり、道具を取り扱える手は もう片方の手しかなく、複数の道具を同時に持つことができません。このため、道具を持ち替える動作が頻発して、グルーミングのストレスとなる問題がありました

そこで、道具そのものを二刀流にすれば、複数のツールを持ち替えることなく片手で使えて便利です。この「片手二刀流」が、ペットブラシの理想形といえます。

いろんなブラシで塗布ツールを使う方法

上の写真のツールは「ダブルトリマー 多目的ハンド」です。これは、市販のティッシュペーパーを簡単に取り付けることができ、塗布ツールとして使用できます。これを中指に掛けて、様々なブラシを持てば、片手二刀流で作業できます。これまで使い慣れたブラシが使えるので、プロのペットサロンでも使用できます

分かりやすい実演デモ動画をご覧ください

ダブルトリマー ペットブラシ用 多目的ハンド|犬猫用スリッカー|使い方テクニック集

この動画のように、ブラシを持ち替えずに短時間でブラッシング液を塗ることができます。ブラッシング液で毛のもつれをほどけやすくして、ブラッシングにかかる時間を短くすれば、ペットに与えるストレスを減らすことが期待できます

初心者には、ペットブラシに塗布ツールをつけると便利

アマゾン販売店

犬や猫の熱中症対策は、人間の熱中症対策とは違います。犬や猫は汗をほとんどかかないため、扇風機の風を当てるだけでは不十分です。扇風機を当てる時は汗の代わりに蒸発する水を肌に補いながら、風を当てる方法を解説します。水に濡れるのを怖がる猫には、グルーミングでペロペロなめられているような感覚で肌を濡らすと喜びます。犬は撫でられると喜ぶため、撫でるようにして肌を濡らすのが良いです。