米国での研究によれば、部屋やオフィスで女性が好む室温は25℃なのに対し、男性は3℃も低い22℃を快適と感じるそうです(Nature Clim. Chan.)。
男性が高温を嫌がるのは生物的に理由があります。筋肉量が多い男性の体は女性よりも多くの熱を発生させています。筋肉は人体で最大の熱生産器官です。また、精子は高温に弱いことも、男性が高温を避けたがる原因の一つと考えられます。
このため、熱をうまく逃がせない状態が続くと、男性のパフォーマンスは急速に低下します。熱中症に罹る男性の数は全年齢合計で女性のおよそ2倍であり、体力的な面で男性の方が熱中症になりやすいのではないか考える研究者もいます。
夏の暑い日に掃除機をかけていて大量の汗をかいてしまいがちなのも男性です。掃除機から出る廃熱は室温よりも30℃ぐらい高いそうです。掃除をすると体温が1~2℃上がるというデータもあります。
男性が掃除を嫌がっている理由は、もしかしたら、体温上昇を本能的に嫌がっているのかもしれません。その場合は、男性の体を冷やす工夫をしてあげると、家事のパフォーマンスを引き上げる効果は女性よりも遥かに大きいかもしれません。