汗が蒸発すると涼しく感じる理由
ヒトは体から熱を逃がすために汗をかきます。汗を蒸発させることで体から「気化熱」が奪われるからです。この記事では気化熱が熱を奪うしくみを詳しく説明します。
ヒトの肌には汗を出す汗腺がある
ヒトの肌には、汗を出すための汗腺が300~400万個もあり、体の熱を逃がす重要な働きを担っています。ヒトの肌の表面に溜まった熱(図のピンク)が、汗の働きで逃げていくしくみを説明します。
体温が上昇すると汗腺から汗が出る
体温が上昇すると、汗腺から汗が出てきます。汗の主な成分は、液体の水です。
汗の水分は熱を取り込んで蒸発していく
風で、汗を気化させる(蒸発させる)と、水が体の熱を奪っていくため、涼しくなります。この奪っていく熱のことを、水の気化熱と呼びます。
水の気化熱とは
液体の水が、気体になって飛ぶためには、エネルギーをつかまえる必要があります。このエネルギーのことを「気化熱」と呼びます。気化熱とは、気体に変化するための熱エネルギーという意味です。
汗が出ないと熱中症になりやすい
もし、何かの原因で汗が出ないと、水が気化しなくなります。風をあてても、熱が逃げにくくなるため、熱中症の危険が高まります。
猫や犬は熱中症になりやすい
汗腺は全ての動物にあるわけではありません。例えば、猫や犬のように毛でおおわれている肌を持つ動物の肌には汗腺がほとんどありません。このため、猫や犬はヒトよりも熱中症のリスクが高くなります。詳しくは猫の熱中症対策・犬の熱中症対策の注意点をご覧ください。