ハンディ扇風機の安全対策

携帯扇風機を街中で多くの人が使っています。医師によりますと、間違った使い方だと熱中症や、目の角膜を傷つけるドライアイの危険もあるとのことです。どのように使えば良いのでしょうか? 最新の2つのニュースを科学的に解説します。

ハンディファンの危険な使い方とは

江東病院・三浦邦久副院長によれば、「滝のような汗をかいている時に、特に外気温が35度(以上)になっている時に扇風機を使うと熱中症になってしまうこともある」「 実際に外気温が35度の時に手持ち扇風機を使っていて、緊急搬送されてくる方も結構いる」といいます。(ANNニュースより)

江東病院・三浦邦久副院長によれば、「滝のような汗をかいている時に、特に外気温が35度(以上)になっている時に扇風機を使うと熱中症になってしまうこともある」 「実際に外気温が35度の時にミニ扇風機を使っていたんですけど、緊急搬送されてくる方も結構いらっしゃいます」 といいます。

三浦先生は「35度を超える暑さのもとで扇風機だけ使うのは、ドライヤーの熱風を浴びるようなものだ」と警告します↓

真夏の扇風機はドライヤー

ハンディファンを賢く使って危険防止

せっかくの便利なツール。賢く使う方法を4つご紹介します。

方法1.濡らしたタオルへ風を当てる

濡らしたタオルに風を当てて、水の蒸発を加速させると、タオルが気温より-6度ぐらい冷えます。(水の気化熱による冷却現象)

三浦先生によれば、「水に濡らしたタオルを首に巻いて、風を当ててやる。首には血管が豊富にあるので首を冷やすようにする」とよいそうです。(ANNニュースより)

熱中症対策としてハンディファンを使う時は、江東病院・三浦邦久先生によれば、濡れたタオルを首にかけて風を当ててやる。首には血管が豊富にあるので冷やすようにする。とのことです。

扇風機と水タオルの組み合わせは冷える

扇風機や水タオルは単独で使用するよりも、組み合わせて同時に使用する方が、冷感を強めあう場合があります
 例えば、下図のように、水に濡らしたタオルと扇風機を一緒に使うと、単独で使う場合よりもタオルが冷やされます。これは『相乗効果』と呼ばれる現象です↓

↑上の実験に用いた扇風機とタオルを連結するクリップはこちらです↓

ハンディファンの風は目の角膜に危険

携帯扇風機の間違った使い方は、熱中症だけでなく、目にも危険だそうです。眼科医の有田玲子先生によれば、扇風機から出る「風」を浴びることで目の角膜に傷をつけるリスクが高まるそうです(日テレより)

風のあて方を間違うとドライアイの危険も

有田先生によれば、角膜は涙に守られており、扇風機などの「風」を受けることによって涙が蒸発すると、角膜がむき出しになって、疲れやかすみなどの症状がでる危険もあるそうです。

首かけタイプの扇風機は、目に風があたり続ける恐れがあり、注意が必要です↓

方法2.ハンディファンの風を目に当てない

ハンディ扇風機は顔に近い距離から強い風が目に直接に当たることから、リスクが高いことが指摘されています。このため、有田先生は「目に風をあてないように、首元へ下向きに扇風機の風をあてるように」と注意を呼びかけています↓

体温が下がらない無効発汗は熱中症のリスクを高める

汗は、蒸発(気化)して体温を下げる働きがあります。気化して有効に働いた汗を有効発汗といいます。一方、気化できずに液体のまま残った汗を無効発汗(無駄な汗)といいます。シャツの中の湿度が高いと無効発汗が多くなります

方法3.シャツ内を換気して、体表湿度を下げる

汗が出やすい背中に、風を通すと良い

↑研究によれば、最も汗が出やすいのは背中です。このため、シャツの中で背中に風を当てるとよいと言われています。